めりーくりすます
先日、IKEAで買いたいものがあり、ぶらりと訪れた。
1人、黙々と目的のものを探して広い広い店内を早足で歩く。店内にはクリスマスソングが流れ、家具や小物をみてワクワクしているカップルやファミリーたちで溢れかえっていた。
不思議なもので、別に自分は買いたいものを買いに来ただけなのに、相対的に、広大な店内を1人黙々と買い物をしていると、なんだかもの悲しくなってくるのだった。
買い物を終えて、一度食べてみたかったIKEAの激安なホットドッグとソフトクリームを買って食べてみたりした。しかし、ここにもカップルやファミリーが溢れかえっていて、1人でホットドッグとソフトクリームをダブルハンドでせかせかと食べていても、味なんてものはよくわからないものだった。
ここでようやく理解した。
「ここは1人で買い物にくるとこじゃねえな」と。
きょうはクリスマスだ。街はハッピーな空気で溢れかえっている。
チェーン店のケーキ屋さんですら行列ができて、人通りを歩けばケーキの箱を大事そうに抱えて歩く人がたくさんだ。
クリスマスを悲しい気持ちで終えるような人が1人でも減りますように、と。今年のクリスマスはそんな風に思う。
世のハッピーと裏腹に、灰色なクリスマスを過ごしているであろう人が一定数いるということが頭に浮かんでくる。
世のハッピーと表裏一体。悲しい時間は、「特別な悲しい時間」として思い出に残ってしまうだろうなあ、と。
誰だってリアルタイムの幸せは大いに謳歌すべきだ。自分も目一杯そうする。
ただ、そんな幸せの裏側の存在というのは頭から離れることはないだろうと思う。
僕は改めて、幸せの表側と裏側をどちらも味わう経験ができてよかったのだと、心から思うのでした。
よいクリスマスを!